デ カ ン シ ョ 節




・ デカンショで半年暮らす(アヨイヨイ)
    あとの半年ゃ寝て暮らす(ヨーオイ ヨーォイデッカンショ)

・ 丹波篠山 山家の猿が 花のお江戸でデカンショ踊る

・ 遠く離れて会いたい時は 月が鏡になればよい

・ 寮雨しゅくしゅく襟元寒し 月が見兼ねて雲隠れ

・ 天下取るまで大事な体 うぬ等女に惚れるものか

・ 親父、親父と威張るな親父 親父 息子のなれの果て

・ 息子、息子と威張るな息子 息子 親父のひと滴

・ 校長、校長と威張るな校長 校長 先生のガキ大将

・ 親の意見となすびの花は 千にひとつの無駄もない

・ 親父本当に可愛ゆうてならぬ 俺に本気で意見する

・ 意見聞く時ゃ頭が下がる 意見頭のうえ通る

・ 俺のリーベは世界に二人 クレオパトラと楊貴姫

・ 酒は飲め飲め茶釜で沸かせ 御神酒上がらぬ神はない

・ 「論語」「孟子」を読んではみたが 酒を飲むなと書いてない

・ 酒を飲むなと書いてはないが 酒を飲めとも書いてない

・ 出来ることなら一年中を 夜と日曜にしてみたい

・ ストームいやだと寝ている奴は ノミに食われて死ねばよい

・ 勉強する気で故郷をでたが ストーム・コンパで日が暮れる

・ コンパやるとて蟆口開けりゃ 何処も同じ秋の風

・ ホームシックと馬鹿にはするが これが広がりゃ愛国心

・ 昨日見た夢でっかい小さい夢よ 蚤がリュック背負って富士登山

・ どうせ死ぬなら桜の下で 死ねば屍に花が散る

・ 会津磐梯山に振り袖着せて 奈良の大仏婿にとる

・ 俺が死んだら三途の川に 鬼を集めてデカンショ踊る

・ 可哀相なはズボンのおなら 右と左の泣き別れ

・ 故郷(さと)へ無心の仮病の手紙 金が来ないで親父来る

・ 勉強する奴 頭が悪い 勉強せぬ奴なお悪い

・ 勉強する奴 頭が禿げる 教授ヤカンがその証拠

・ 勉強よせよせデカンショ踊れ 試験来てから頑張るさ

・ 心中するような命を貰い 火星探検してみたい

・ 優柔不断は男の恥よ 頭の二本筋伊達じゃない

・ どうせ貰うならでっかい女 二百十日の風よけに

・ どうせやるならでっかいことなされ 親父質に入れ酒を呑む

・ どうせやるなら小さいことなされ 蚤のキンタマ八つ裂きに

・ どうせやるならでっかいことなされ 奈良の大仏屁で飛ばせ

・ どうせ貰うなら石屋の娘 死んでお墓が只でたつ

・ うまいものだよ親父のすねは かじりゃかじる程味が出る

・ いくら美人でも一升飯食えば ナタで切るような糞をする

・ 惚れた惚れたと何見て惚れた 俺の寮雨で地がほれた

・ 万里の長城から小便すれば ゴビの砂漠に虹がたつ

・ 万里の長城から小便すれば 流れ流れて揚子江

・ 泉の頂上で小便すれば 流れ流れて広瀬川

・ 橋の上から小便すれば 下でドジョウが滝上り

・ 雨が降る日は天気が悪い 悪いはずだよ雨が降る

・ 先生、先生と威張るな先生 先生 生徒の蓄音機

・ 生徒、生徒と威張るな生徒 生徒 先生のタイプライター

・ 昔神童と言われた俺も 今じゃドイツ語で目がまわる

・ 体六尺これみな肝よ 打てば音する意気地あり

・ なんで惚れたか一高の方に 破れ帽子にドラ声だ

・ 文句ぬかすならなんぼでもぬかせ 後でゲンコの雨が降る

・ 俺の親父は芋食って死んだ 今じゃお墓が屁をたれる

・ ほんにドイツ語は夫婦の喧嘩 derのdasのと大騒ぎ

・ 落第する奴本当に可愛い 母校恋しゅうて別れかね

・ 大井川なら俺でも越すが 越すに越されぬ学期末

・ よくも降ったと窓開け見れば 星の出る夜に雨が降る

・ 自慢息子が停電すれば 親の心は暗くなる

・ さんさ時雨か萱野の雨か 音もせで来て濡れかかる

-了-

※デカンショ節の歌詞は、七七七五です。 従って都々逸の節で謡えますし、「アルプス一万尺」でも歌えます。
最後に入れましたが「さんさ時雨」の歌詞も同じです。
さらに「会津磐梯山」もそうです。試してみてください。




「正調」らしい「デカンショ節」は次のような歌詞です。
ただし、一般に民謡には、歌詞は勿論曲にもいろいろな変形があり、
これが正調ということはかなり困難です(おそらく出来ない)。


丹波篠山山家の猿が (アヨイヨイ)
花のお江戸で芝居する (ヨーオイヨーオイデッカンショ)

酒は飲め飲め茶釜でわかせ お神酒あがらぬ神はない

霧の海から丹波の富士が ぼかし絵の様に浮び出る

灘のお酒はどなたが造る おらが自慢の丹波杜氏

雪はちらちら丹波の宿に 猪がとびこむ牡丹鍋

デカンショデカンショで半年暮らす あとの半年ねて暮らす

丹波篠山鳳鳴の塾で 文武きたえし美少年

寒さしのんで作りし酒で 春は三三九度の式

私しゃ丹波のかち栗育ち 中に甘味も渋もある

丹波篠山その山奥で 一人米つく水車

一人米つくあの水車 誰れを待つやらくるくると

向うのお山の紅葉が赤い あれが落ちたら雪になる

今年初めて我が子の踊り ほめて下さい お月様

お国とわれて肩いからせて 俺は丹波の篠山だ

ほりの櫻が咲いたよ咲いた 城下一面花吹雪

踊りつかれて家路に向かう ほほに夜霧の心地よさ

涼みしよとて出てきた娘 またも音頭で汗をかく

ボート浮かべてお壕の花見 流す浮名を恋でゆく

風が吹く吹く篠山城の 松に武勇の声高く

踊り踊るなら浮かれて踊れ あすの仕事はあすのこと

月が呼んだかよばれて来たか 踊り仲間がちらほらと

あの娘可愛いや霧ふる夜は たもとぬらして逢いにくる

姉も妹もでかんしょゆかた どれが姉やら妹やら

デカンショデカンショで歌うて廻れ 世界いづこの果てまでも

-おわり-



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